落第忍者乱太郎(忍たま乱太郎)及び戦国作品の二次創作ブログ
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「ふふふ」
書物を読んでいた雷蔵が急に笑った。
そんなに書が面白いのかと思ったが、雷蔵の目は字を追っておらず、何か思いついた時の顔をしていた。
「なにが面白いんだ?」
「え?ああ、僕笑ってた?」
どうやら自覚はなかったらしい。頷いてやると、ごめん、と謝ってきた。
「別に謝ることはないけど。なにが面白かったんだ?」
「これこれ」
そう言って雷蔵は書を掲げて見せた。字面を追ってみたが、やはり笑うような内容のものではない。
「別に書が面白くて笑ったわけじゃないだろう?」
「まあね。これって古の偉人について書かれてある書なんだけど」
雷蔵の声が可笑しそうに弾む。
「僕たちもいつか一流の忍者になって、戦場で活躍したりなんかしたら、こうやって書に書かれるのかなぁって思うとね」
「それのどこが可笑しいんだ?」
「だって。そしたら僕らの全然知らないような人たちが、僕らのことを知ることになるんだよ?何十年も、何百年も後に生まれる人たちが。凄いことだと思わない?」
「まあ、確かに」
適当に頷くと、君は情緒がないな、と不満そうに呟かれた。
「何百年経っても僕たちの足跡が残るんだ。不破雷蔵が、鉢屋三郎が、書の中で永遠を生きるんだよ。僕はそういう忍びになりたいな」
「なれるさ。俺たちならな」
自信たっぷりに言ってやると、今度は満足げに笑う。
俺たちの足跡が残る、か。
それも悪くない。
*****
忍びが名前残したらダメだろ、というツッコミは、無しでお願いしますww